この世界的なフィーバーは、日本各地の伝統的な産地にも劇的な変化をもたらしている。香川の讃岐手まりや長野の松本手まりをはじめ、かつて後継者不足に悩まされていた地域に、海外からの注文が殺到。分業制やダイレクトコマースの導入によって、地方の高齢職人と若手デザイナーがタッグを組み、世界中へ作品を直接届けるエコシステムが完成した。
「自分たちが子どもの頃に作っていたものが、まさかパリの邸宅に飾られることになるなんて」。現地で数十年にわたり技術を守り続けてきた80代の職人は、目を見張りながら笑顔を見せる。技術の継承を諦めかけていた地域が、グローバル市場と直接つながることで、持続可能な高収益産業へと生まれ変わりつつある。