なぜ、あれほど剥き出しの言葉を選ばなければならなかったのか。制作当時、バンドは絶え間ないプレッシャーと過密なスケジュール、そして自らの表現に対する強烈な飢餓感の中にいた。トータス松本は、自身の内面に溜まった澱や、綺麗事だけでは片付けられない世の中の不条理をすべて吐き出すかのようにペンを走らせたという。
「バカヤロー」というフレーズは、他者への攻撃ではない。思い通りにいかない現実、不甲斐ない自分自身、そして時代の空気に抗うための、祈りにも似た自己解放の言葉だった。スタジオでのレコーディング時、張り詰めた空気の中でテイクが重ねられ、喉が張り裂けんばかりのボーカルが吹き込まれた瞬間、現場には言葉を失うほどの静寂と興奮が走ったという逸話が残る。トータス松本が語る「嘘のない歌しか歌いたくない」という覚悟が、この数分間に凝縮されている。