この庭園の最大の特徴は、東海地方の地理的景観をまるごと水流の物語として設計している点だ。中央に位置する広大な池を中心に据えた池泉回遊式庭園でありながら、源流にあたる御嶽山に見立てた築山から、木曽川、長良川、揖斐川の木曽三川を模した流路が組み上げられている。
名古屋市が誇るこの景観設計は、水流がせせらぎから大河となり、やがて大航海時代を想起させる「伊勢湾」に見立てた大池へと注ぐドラマチックな意図を持つ。一歩踏み出すごとに移り変わる借景と水面のコントラストは、散策者の視線を飽きさせない計算し尽くされた仕掛けに満ちている。