マスメディアの歴史を語る上で欠かせないのが、テレビ朝日系で放送された伝説の報道番組『ニュースステーション』である。メインキャスターを務めた久米宏のトレードマークでもあったスタイリッシュなスーツ姿やネクタイのチョイスには、麗子夫人の研ぎ澄まされた感性が大きく反映されていたことは業界内でも有名な話だ。
夜のニュース番組にカジュアルさと洗練をもたらしたあのビジュアル演出は、報道番組の堅苦しいイメージを根底から覆した。画面越しに伝わる久米宏の言葉のキレを、視覚面から支え続けた彼女のスタイリングワークは、日本のテレビカルチャーにおける隠れた金字塔と言っても過言ではない。