私たちが忌み嫌うウジの正体は、生物学的にはイエバエやクロバエ、ニクバエなどに代表される双翅目(ハエ目)幼虫の総称である。成虫のメスは驚異的な嗅覚で動物性タンパク質の腐敗臭や発酵臭を感知し、わずかな隙間から侵入して一度に数十から数百個の卵を産み落とす。条件さえ揃えば半日から1日程度で孵化し、貪欲に有機物を貪り食う。
日本衛生動物学会の基礎研究でも明らかなように、ウジの成長速度は環境温度に強く依存している。気温が30度を超える真夏日であれば、産卵からわずか数日で蛹(さなぎ)へと移行するサイクルを形成する。家庭内のゴミ箱の底に溜まったわずかなドリップや、ペット用トレイの隙間、排水口のヘドロなど、高湿度で栄養源が存在する場所はすべて彼らにとっての理想郷だ。放置すれば爆発的に増殖し、二次感染の温床となる。