名優としての顔の一方で、西田さんは長年にわたり「日本俳優連合」の理事長を務め、俳優たちの労働環境改善や権利保護のために奔走した闘士でもあった。
芸能界における実演家の地位向上、ケガや病気の際の補償制度の整備、契約の透明化など、表舞台の華やかさの影に隠れがちな問題に正面から切り込んだ。自身の体調がすぐれない時期であっても、後輩役者やスタッフが不当な環境に置かれないよう、業界団体や行政への働きかけを粘り強く継続していた。
「俳優も一人の人間であり、生活がある」。その信念に基づいた行動は、現在の映像制作現場の健全化に決定的な影響を与えている。カメラの前だけでなく、業界の構造改革にまで尽力した彼の功績は計り知れない。