日本のテレビドラマの歴史において、明らかな転換点となったのが『大都会 PARTIII』だ。それまでの刑事ドラマにあった情緒的な人間ドラマの枠組みを大胆に解体し、徹底したハードボイルドと過激なアクションを前面に押し出した。サイレンの響きとともに繰り広げられる激しいカーチェイス、容赦のない銃撃戦。視聴者は息を呑み、テレビの前にかじりついた。
この作品で主役の黒岩刑事を演じた渡哲也のストイックな佇まいは、軍団の代名詞となる「男が惚れる男」のアイコンを確立する。ショットガンを手に敵をなぎ倒すその姿は、お茶の間の常識を粉々に打ち砕いた。テレビドラマが映画のスケールを凌駕できることを、彼らは現場の熱量だけで証明してみせたのだ。