バンドがモンスター級の成功を収めるなか、2001年から本格化したソロプロジェクトは、HYDEというアーティストのさらに奥深い内面世界を浮き彫りにした。ロンドンでレコーディングされたソロ第1弾アルバム『ROENTGEN』は、静謐でメランコリックなアコースティックサウンドと、英語詞による低く包み込むようなボーカルが融合した孤高の傑作だ。バンドのダイナミズムとは対照的な、削ぎ落とされた静寂の美学がそこにはあった。
さらに2003年公開の映画『MOON CHILD』では、スクリーンの中で不老不死のヴァンパイア・ケイ役を熱演。退廃的で近未来的なアジアの架空都市を舞台に、哀愁と儚さを纏ったその姿は、まさに映画史に刻まれるべき美の極致だった。音楽だけでなく映像作品においても、彼にしか演じられない幻想的なリアリズムを確立した瞬間だった。