オーバーツーリズムが議論される昨今の京都において、観光・インバウンド産業の視線は有名社寺の集中するエリアから、地域に根ざした生活文化が色濃く残るローカルな街へとシフトしている。その筆頭が百万遍だ。表通りの喧騒から一本裏路地へ入れば、築100年近い京町家をリノベーションした個性派クラフトビールバーや、自家焙煎のスペシャルティコーヒー店がひっそりと暖簾を掲げている。
観光消費を急ぐのではなく、地元の人々に混ざって銭湯に入り、定食屋で日替わりランチを頼み、鴨川のデルタまで散歩する。そんな「暮らすように旅する」スタイルが、感度の高い旅行者の間で強い共感を呼んでいる。百万遍には、消費される観光地にはない本物の京都の生活息吹が満ちているのだ。