両院を分かつ最も基本的な境界線は「任期」と「解散の有無」にある。衆議院議員の任期は4年だが、任期満了を迎える例は極めて稀だ。時の首相による衆議院解散によって、平均して2年から3年程度で議席を失い、即座に衆議院議員総選挙へと放り出される。常に民意の審判に怯え、即応性を求められるのが衆議院の宿命だ。
対照的に、参議院議員の任期は6年と長く、途中で身分を奪われる衆議院解散のような制度は一切存在しない。3年ごとに半数が改選される参議院議員通常選挙によってのみメンバーが入れ替わる。この強固な身分保障こそが、衆議院の暴走を食い止めるブレーキとしての役割を担保している。
定数においても衆議院465議席、参議院248議席と約2倍の開きがある。一票の重みや選挙区の区割りルールも異なり、衆議院が小選挙区比例代表並立制で政権選択の色彩を強く帯びるのに対し、参議院は全国比例や複数定数の選挙区を抱え、多様な職能や民意をすくい上げる構造になっている。