このキャスティング戦争の背景には、音楽産業と放送業界が直面する構造転換がある。ユニバーサル ミュージック グループをはじめとする巨大レコード会社にとって、大晦日の紅白は日本市場のみならず、アジア全域へ向けた最大のショーケースに他ならない。
Spotifyなどのストリーミングプラットフォームで再生回数を爆発させるための起爆剤として、テレビの拡散力は今なお絶大だ。地上波の生放送と同時にNHKプラスでの同時・見逃し配信が行われ、切り抜き動画が即座に世界中のファンコミュニティへ拡散される。放送と配信が融合したこのエコシステムこそが、海外の大物たちが紅白のオファーに応じる強力なインセンティブとなっている。