2人の出会いは、アルコ&ピース結成前の2000年代中盤に遡ります。知人の紹介を通じて知り合った当時、平子さんは格闘技に打ち込みながら芸人としての将来に悩み、先の見えない日々を送っていました。対する真由美さんはアパレル業界で自立した生活を送っており、まさに正反対の境遇でした。
互いに惹かれ合うまでに時間はかかりませんでした。初対面から平子さんは彼女の穏やかな包容力と美しさに圧倒され、猛烈なアプローチを開始します。やがて交際がスタートしますが、当時の平子さんは芸人の仕事だけでは到底生活できず、日雇いの肉体労働やアルバイトを掛け持ちしても月収が数万円から10万円未満という極貧状態でした。
そんな厳しい状況下で迎えた2007年の入籍。アルコ&ピース平子の結婚経緯は、まさに夫婦の覚悟の結晶でした。東京都杉並区高円寺の家賃数万円の古びたアパートで、ガスや電気が止まりかけるような生活を送りながらも、真由美さんは一度も平子さんに「芸人を辞めて就職して」と迫ることはありませんでした。
当時のインタビューや自著『今日も嫁を口説こうか』において、平子さんは次のように回顧しています。
「お金がなくて肉が買えない日、モヤシばかりを炒めた皿を前にして、真由美は『今日も美味しいね』と心から笑ってくれた。彼女が僕を一度も惨めな男として扱わなかったからこそ、僕は芸人を辞めずにいられたんです」
この深い受容と信頼こそが、後のブレイクを支える精神的バックボーンとなったのです。