突然自宅を訪ねてくる調査員に対して「怪しい」と疑念を抱く最大の要因は、訪問の目的や費用体系が事前に十分に伝わっていない点にあります。結論から言うと、九州電気保安協会が行う一般家庭向けの定期調査において、作業員が現地で点検費用を請求することは100%ありません。
この調査は、電気事業法第57条に基づき、登録調査機関である九州電気保安協会が九州電力送配電株式会社などの送配電事業者から委託を受けて実施しているものです。調査に関わるコストは日頃支払っている電気料金(託送料金)に含まれているため、点検作業そのものは「無料」で行われます。もし作業員が「点検料として3,000円いただきます」「測定器の使用料が必要です」などと金銭を要求してきた場合、それは九州電気保安協会を騙る偽物、すなわち悪質な詐欺業者と断定できます。
また、「点検を受ける義務があるのか」という点についても誤解が少なくありません。法律上、定期調査を実施する義務を負っているのは「電力会社(登録調査機関)」側であり、一般の契約者(住民側)に対して点検受検を強制する法的罰則はありません。したがって、どうしても都合が悪い場合や室内への立ち入りに抵抗がある場合、点検を断ったり日程を改めたりすることは権利として認められています。ただし、長期間にわたり漏電や配線の緩みを放置すると、感電事故や電気火災を引き起こすリスクが高まるため、正当な身元が確認できた場合は受検することが推奨されます。