ネット上の議論やクイズ番組で頻繁に取り上げられるのが、地方区分の境界線にまつわる「定義のブレ」と「日本地図 県庁所在地の不一致問題」です。ここには行政・経済・歴史的な経緯が複雑に絡み合っています。
代表的な誤解が「三重県は何地方か?」という問題です。学校の地理教科書(文部科学省指導要領ベース)では「近畿地方」に分類されますが、経済産業省や中部経済連合会などの管轄では愛知県・岐阜県とともに「東海地方(中部)」として扱われます。テレビの気象情報でも三重県は東海3県として天気予報が流れるため、現地住民の実生活感覚としては「東海・中部」としての結びつきが非常に強いのが実態です。
また、山梨県も「中部地方」でありながら、政治や経済ニュースでは「首都圏(1都7県)」や「関東甲信越」として関東地方とひとまとめに扱われます。地理的な枠組みと、交通網・経済インフラによる枠組みが異なる点に注意しなければなりません。
さらに、学習者を悩ませるのが「県名と県庁所在地名が一致しない都道府県」です。全国47都道府県中、不一致となるのは18道県(東京都新宿区を含むと19)にのぼります。
【代表的な県名と県庁所在地の不一致例】
・岩手県:盛岡市
・宮城県:仙台市
・茨城県:水戸市
・栃木県:宇都宮市
・石川県:金沢市
・愛知県:名古屋市
・三重県:津市
・滋賀県:大津市
・兵庫県:神戸市
・島根県:松江市
・香川県:高松市
・愛媛県:松山市
・沖縄県:那覇市
明治初期の廃藩置県において、旧幕府側についた藩の城下町では県名と都市名を変えられたという歴史的説や、合併後の郡名を採用した経緯など、各都市の名前には重厚な近代史の背景が刻まれています。