日本の恋愛ドラマ史において決定的な転換点となったのが、通称「チェリまほ」として愛される『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』である。主演の赤楚衛二と相手役の町田啓太がみせた繊細な感情表現は、互いを尊重し合う優しさに満ちており、キスシーン以前の心の通い合いが見事に描かれていた。
一方で、圧倒的な美しさと歪んだ愛憎のリアルさでファンを狂乱させたのが『美しい彼』だ。萩原利久が演じる平良の屈折した愛情と、八木勇征が演じる清居の気高さが衝突するキスシーンは、まさにアートの域に達していた。登場人物の心情がピークに達する瞬間を映像化する巧みさは、今なお多くのクリエイターに影響を与え続けている。