長年、日本の家庭科教育や料理本では「ピーマンの種とワタは取り除くもの」と指導されてきました。そのため「種には毒があるのではないか」「硬くて消化に悪いのではないか」といった誤解を持つ方も少なくありません。しかし、結論から言えばピーマンの種やワタに毒性は一切なく、むしろ栄養の宝庫です。
種やワタの部分には、血液サラサラ効果や冷え性改善が期待される香り成分「ピラジン」が果肉の数倍から十数倍含まれています。さらに、余分な塩分を排出するカリウムや抗酸化作用を持つビタミンCも豊富です。加熱することで種のプチプチとした食感は心地よいアクセントに変わり、苦味もほとんど気にならなくなります。
特に「ピーマン丸ごと下処理」は、食品ロス削減と時短調理の両面から非常に推奨されるアプローチです。丸ごと調理する際の下処理手順は以下の通りです。
- 水洗いしたピーマンの水気をしっかり拭き取る。
- 爪楊枝や竹串で果肉に2〜3箇所の小さな穴を開ける(加熱時の内部空気膨張による破裂を防止)。
- ヘタの先端の硬い軸部分のみをキッチンバサミで1ミリほど切り落とす(気になる場合のみで可)。
この状態でごま油を引いたフライパンでじっくり焼き目をつけ、めんつゆや鰹節で煮浸しにするだけで、種もワタもトロトロに柔らかく仕上がり、丸ごと美味しくいただけます。