ドライバーが最も警戒すべきは、適用される罪名が「過失運転」にとどまるか、極めて量刑の重い「危険運転致死傷罪(同法第2条・第3条)」へと切り替わるかという点です。両者の決定的な差異は、運転行為そのものの危険性の認識と悪質さにあります。
過失運転致傷罪が「不注意・脇見・ブレーキの踏み遅れ」といった過失を対象とするのに対し、危険運転致死傷罪は以下のような類型に該当する場合に適用されます。
・アルコールや薬物の影響で正常な運転が困難な状態での走行
・進行を制御することが困難な高速度での走行
・意図的な割り込みや著しい接近(いわゆるあおり運転)
・赤色信号の殊更な無視
危険運転致傷罪が適用された場合、負傷事故であっても15年以下の懲役(無免許等の加重があればさらに重罰化)となり、罰金刑の選択肢は存在しません。現場捜査における供述内容やドライブレコーダーの解析次第で容疑が切り替わる事案もあるため、初動の事実確認が極めて重大な意味を持ちます。