一方、フジテレビジョンは対照的なアプローチを持つ2つの大型タイトルで攻勢をかけた。木曜劇場枠で放送された『いちばんすきな花』は、多部未華子をはじめとする4人の実力派俳優がクアトロ主演を務めた話題作だ。「男女の間に友情は成立するのか」という普遍的な問いを起点に、日常の些細な違和感や生きづらさをすくい取るようなセリフ回しが、特にZ世代を中心とする配信世代の心を鷲掴みにした。
月9枠では、二宮和也らがトリプル主演を務めた『ONE DAY〜聖夜のから騒ぎ〜』が異彩を放った。クリスマスイブという「たった1日」の出来事を1クールかけて描くという前代未聞のタイムサスペンス。逃亡犯、シェフ、報道キャスターという交わらないはずの3つの視点が同時並行で進み、やがて1つの真実へと収束していくパズル的な脚本構造は、考察ブームに沸くドラマファンの知的好奇心を刺激し続けた。