金融庁の電子開示システム「EDINET」に提出される有価証券報告書や、適時開示情報閲覧サービスに突如として現れる「代表取締役の異動に関するお知らせ」。その退任理由欄に書かれた「一身上の都合」という定型句を、文字通りに受け取る市場関係者は皆無だ。
日本経済新聞 電子版の速報を追うだけでも、水面下の熾烈な主導権争いが透けて見える。かつて経済ドラマ『ハゲタカ』で描かれたようなアクティビスト(物言う株主)による経営陣退陣要求や、社外取締役陣によるクーデター劇は、もはやフィクションではない。敵対的買収やプロキシーファイト(委任状争奪戦)の末に叩きつけられる辞任劇は、資本主義の冷徹なダイナミズムを映し出す鏡といえる。