霞の呼吸は、風の呼吸から派生した剣術であり、刃の軌道や自らの間合いを敵に悟らせない変幻自在の動きを神髄とする。時透無一郎が披露した全7つの型は、いずれも高い殺傷能力と芸術的な美しさを兼ね備えている。
【壱ノ型 垂天遠霞(すいてんえんかす)】
天に向けて刀身を垂直に突き立てる一撃。無駄のない最短距離の突刺であり、強固な防御や狭い空間を貫く際に真価を発揮する。
【弐ノ型 八重霞(やえかす)】
幾重にも重なる霞のごとく、瞬時に数多の斬撃を叩き込む連続攻撃。敵の死角から怒涛の連撃を浴びせ、反撃の隙を与えない。
【参ノ型 霞散の飛沫(かさんのしぶき)】
円を描く素早い斬り払いによって、相手の攻撃や飛来物を弾き飛ばす防御兼強襲の型。煙を散らすかのような疾風の刀さばきが特徴だ。
【肆ノ型 移流斬り(いりゅうぎり)】
流れるような足さばきで相手の攻撃を受け流しつつ、間合いを詰めて斜めに斬り上げる。敵の力を利用しながらカウンターを叩き込む実戦的な技である。
【伍ノ型 霞雲の海(かうんのうみ)】
前方を立ち込める密雲で覆い尽くすかのように、目にも留まらぬ速度で無数の斬撃を波状攻撃として解き放つ大技。
【陸ノ型 月の霞消(つのかすしょう)】
広範囲にわたって霧が立ち込めるように刃を巡らせ、空中や広スペースにいる敵を一網打尽にする多次元的な広域斬撃。
【漆ノ型 朧(おぼろ)】
無一郎が自らの感覚のみで生み出したオリジナルの型。動きの緩急を極限まで変化させ、相手の視界から消え失せたかと思えば突如として眼前現れる。敵を徹底的に幻惑し、気づいたときには頸を切り落としているという、霞の呼吸の最高峰にして絶対的な必殺技だ。