東海大の黄金期を語るうえで欠かせないキーマンが、チームを長年率いる東海大学柔道部監督の上水恵二氏です。上水監督は従来の根性論や経験則にとらわれがちだった武道の指導現場に、最先端のスポーツ科学と緻密なデータ分析を本格導入した先駆者として知られます。
導入された改革の代表例が、対戦相手や自チーム選手の組み手、技の移行速度、時間帯ごとのポイント発生率などを数値化するアナリティクス体制です。選手一人ひとりの長所と短所を可視化し、個別最適化されたトレーニングメニューを設定することで、個々の潜在能力を最短距離で引き出すことに成功しました。
また、厳しい規律のなかにも自主性を重んじる対話型のアプローチを取り入れ、選手自らが「どう組んでどう投げるか」を思考するセルフコーチング能力を育成。名将の細やかな戦術眼と選手への深い信頼が、大舞台の勝負どころで一本勝ちを引き寄せる底力となっています。