経営改善の切り札として急増したのが、線路や駅舎などの設備を自治体が所有し、運行だけを鉄道会社が担う「上下分離方式」だ。
運用会社の赤字を表面上減らせるメリットがある一方で、設備を抱え込む自治体側の負担は年々増大している。橋梁の補修やトンネルの耐震補強、大雨で被災した線路の復旧費など、一回のアクシデントで億単位の公金が吹き飛ぶ。
「インフラの公営化」と言えば聞こえは良い。だが、税金を投じてまで残すべき鉄路なのか、それともバスや自動運転タクシーへ転換すべきなのか。住民を巻き込んだ冷徹な議論を避けたまま上下分離を選択した地域ほど、数年後に厳しい財政難に直面している。