多くの人が抱く最大の疑問は、「なぜ10年もの長期間にわたり不正が見逃されてきたのか」という点です。その背景には、ローカル局における杜撰な管理体制と、元幹部が持つ権限の集中がありました。
日本海テレビにおける募金集計作業は、鳥取本社に集まった募金箱を開封・集計した後、最終的な保管場所である金庫へ収納する流れとなっていました。元幹部は総務局長などの要職を務めており、金庫の鍵や暗証番号を実質的に一人で管理できる立場にありました。他の社員が立ち去った後、施錠された金庫から現金を紙袋などに移し替えて持ち出す手口を繰り返していたとされています。
発覚の経緯となったのは、2026年11月に行われた税務署の税務調査でした。社内資金の出納帳簿と実際の残高に食い違いが生じていることを指摘され、社内調査を実施したところ、元幹部が自らの不正を認めました。着服した動機について、元幹部は「スロットマシンや競馬などのギャンブル、飲食代に使った」と供述しており、善意の結晶を私利私欲のために浪費していた実態が浮き彫りとなりました。