彼女の音楽家としての歩みは、路上という過酷な現場から始まった。16歳の少女が渋谷のハチ公前広場でマイクを握り、「CD手売り1万枚」「渋谷公会堂でのワンマンライブ」「高校卒業」という3つの目標を自らに課したエピソードは伝説的だ。
寒風が吹き荒ぶ夜も、声が枯れ果てる日も、彼女は鍵盤を叩き歌い続けた。その背中を支えたのは、幼少期に施設で育った自分を温かく引き取り、歌手になる夢を誰よりも応援してくれた育ての母の存在だった。しかし、メジャーデビューを目前にして最愛の母が他界。悲痛な絶望のなかで書き上げたのが、この卒業ソングの金字塔だった。後にソニー・ミュージックエンタテインメント関係者の目に留まり、その歌声は全国へと羽ばたくことになる。