2000年代後半、声優の釘宮理恵が演じるキャラクター群は、アニメ界に一大旋風を巻き起こした。いわゆる「釘宮病」と称された熱狂は、高飛車なセリフ回しと裏腹のいじらしさをツインテールの躍動と一体化させ、深夜アニメの潮流を決定づけた。キャラクターが怒りで頬を染めながら髪を振り乱す芝居は、声と作画の完璧な共鳴によってファンの琴線を直撃した。
一方で、京都アニメーションをはじめとする気鋭のスタジオは、ツインテールを「日常のリアリティ」へと昇華させた。髪を結び直す指の動き、毛束の重み、ふとした瞬間に崩れる後れ毛。卓越した作画力による微細な身体表現は、誇張された記号だったツインテールに生々しい生活感と息遣いを与え、視聴者の感情移入を劇的に深めたのである。