新宿駅で京王線への乗り換えに失敗する最大の要因は、平面図の把握だけでは太刀打ちできない「立体的な高低差」と「2つの京王線の存在」にあります。乗り換えアプリの案内通りに歩いているつもりでも、気づけばまったく別の改札口へ誘い込まれてしまう現象には、明確な構造的理由が存在します。
第1の理由は、JR新宿駅のホームから降りる階段の選択ミスです。JRのプラットホームからは「南口・東南口へ上がる上り階段」と「北通路・中央通路へ降りる下り階段」が混在しています。ここで無意識に上り階段を選んで地上2階の南口改札を出てしまうと、地下にある京王線乗り場へ戻るために長いエスカレーターや混雑する階段を下り直さなければならず、大幅なタイムロスが生じます。
第2の理由は、西口地下エリアで進行する大規模工事の視覚的ノイズです。取材班が現地を歩くと、従来の広々としたコンコースは工事用の白い仮設パネルで細かく区切られており、見通しが著しく制限されています。環境心理学において「空間手がかり(ランドマーク)の喪失」と呼ばれる状態が発生しており、案内表示板を見失った利用者が同調バイアスによって前の人の流れに無目的に付いていってしまい、結果として遠回りな東口方面やルミネ方面へ流されてしまうケースが後を絶ちません。
そして第3の決定打が、「京王線」と「京王新線」のホームが完全に別フロアに隔離されている事実です。この2路線を取り違えると、階段を何十段も上り下りする羽目になり、致命的な遅刻を招くことになります。