スイッチOTC化が進み、鎮痛剤や発毛剤のように「第1類医薬品」として薬剤師の服薬指導のもと店頭で購入できるようにならないのか、という疑問を持つ人は多い。しかし、厚生労働省や専門家組織がOTC化に対して慎重姿勢を崩さないのには、切実な理由がある。
最大の懸念は、既存疾患や併用禁忌薬との相互作用だ。例えば、狭心症の治療に使われる硝酸剤(ニトロダーム等)と血管拡張作用を持つ薬剤を併用すると、急激かつ危険な血圧低下を引き起こし、最悪の場合は命に関わる。日本性機能学会のガイドラインにおいても、患者の基礎疾患や心臓への負担を事前診断することの重要性が繰り返し提示されている。単なる利便性の追求以上に、潜在的な心血管疾患のリスクを見落とさないための臨床的プロテクトが厳格に敷かれているのだ。