彼女のキャリアを語る上で欠かせないのが、社会現象となった『ウマ娘 プリティーダービー』におけるツインターボ役だ。開発元のCygamesが手掛ける緻密な世界観のなかで、限界を超えて走り続ける愚直なウマ娘の生き様を、花井はまさに喉を枯らすほどの熱演で体現した。理屈を超えて視聴者の涙腺を決壊させたアニメ第2期第10話の叫びは、計算された技術だけでは到底到達できない、魂の叫びそのものだった。
一方で、バンダイナムコエンターテインメントが展開する『アイドルマスター シンデレラガールズ』の村上巴役で見せたアプローチは、全く異なる色彩を放つ。ドスの利いた広島弁と義理人情に厚い心根、そして年齢不相応な包容力。一見アクの強いキャラクターの奥にある繊細な少女の揺らぎを、絶妙なニュアンスで演じ分けた。この両極端なキャラクターを見事に成立させるレンジの広さこそ、彼女の真骨頂である。