事故が発生したのは2019年4月19日。豊島区東池袋の都道交差点で、飯塚受刑者が運転する乗用車(プリウス)が時速90キロを超える速度で暴走し、赤信号の横断歩道に進入。自転車に乗っていた松永真菜さん(当時31歳)と長女の莉子ちゃん(当時3歳)の命を奪い、通行人ら9人に重軽傷を負わせました。
飯塚受刑者は東京大学工学部を卒業後、通商産業省(現・経済産業省)の工業技術院長を務め、退官後はクボタの副社長などを歴任したエリート官僚でした。さらに2015年には瑞宝重光章を受章するなど、まさに政財界における重鎮としての経歴を持っていた人物です。
事故直後、現行犯逮捕が見送られたことや、メディアが一律に「飯塚元院長」「容疑者ではなく『さん』付け」で報道したことに対し、世論は激しく反発。一般市民の交通事故であれば即時逮捕されるケースが多いなか、特権的な扱いを受けているのではないかという疑念から、「上級国民」という言葉がネットを中心に爆発的に拡散し、社会問題化しました。