安全地帯と車の関係を規定する根幹ルールが、道路交通法第31条(停車中の路面電車がある場合の措置等)です。この条文では、路面電車が停車している停留場付近での車の動きについて、極めて細かく定められています。
路面電車が乗客の乗降のために停車している際、道路の構造によって車が取るべき行動は次のように二分されます。
① 安全地帯がある場合:
乗客が乗り降りしている路面電車の側方に安全地帯が設置されているときは、その安全地帯に歩行者がいる場合であっても、車は「徐行」してその側方を通過できます。一時停止までは求められません。
② 安全地帯がない場合:
地方都市などの一部停留所のように安全地帯が設けられていない場所では、路面電車の後方1.5メートル以上の間隔を保って「一時停止」しなければなりません。乗客の乗り降りが完全に終わり、路面電車が発進するか乗客が道路を横断し終えるまで、車を進めることは禁止されています(ただし、乗降客がおらず、路面電車との間に1.5メートル以上の間隔が開けられる場合は徐行して通過可能)。
このように、安全地帯は歩行者を保護するシェルターとしての役割を果たすため、安全地帯が存在することで車の側方通過基準が「一時停止」から「徐行」へと緩和される法構造になっています。