ゆ虐という特異な文化の根底にあるのは、2ちゃんねる(現・5ちゃんねる)発祥の「ゆっくりしていってね!」というアスキーアート(AA)です。これが画像掲示板「ふたば☆ちゃんねる」の二次元裏(img/may)板に持ち込まれた際、独特の生態設定や性格付けが付与され、急速に独自のミームへと変貌を遂げました。
初期の「愛で派(ゆっくりを可愛がる層)」に対抗する形で生まれた「虐待派」は、設定の緻密化を推し進めます。「ゲスゆ」と呼ばれる生意気な個体、カビの発生、あんこ(脳・内臓器官)の流出、加工場による食品化など、ダークで不条理な設定がテキストサイトやイラスト(SS・絵ログ)として蓄積されていきました。
これらの設定が成熟した2008年頃から2010年代前半にかけて、プログラミング技術を持つ職人たちによって次々とインタラクティブなゲーム化が進行。単なる鑑賞物から「プレイヤー自らが介入するシミュレーション」へと進化を遂げ、ネットユーザーの間で爆発的な広がりを見せることになります。