感覚的な理解を深めたところで、言語学的な裏付けにも目を向けたい。オックスフォード大学出版局やケンブリッジ大学英語検定機構が編纂する高名な辞書・コーパスにおいて、この表現はどのような英語イディオムとして定義されているのだろうか。
主要な語学リソースを紐解くと、主に以下の2つの明確な語法に分類される。
ひとつは「take someone back (to something)」。特定の記憶や過去の時代を思い出させる(remind someone of a time in the past)という他動詞的用法だ。「That song always takes me back to my high school days.(あの曲を聴くと、いつも高校時代に引き戻される)」といった形で使われる。
もうひとつは「take someone back」単体で、関係を修復して元に戻る(accept someone again as a partner)という意味だ。学術的な語彙集でも、この二面性は明確に区別されており、前置詞「to」の有無や文脈のシチュエーションが決定的な意味の分水嶺となることが示されている。