のれんをくぐった瞬間に押し寄せる、食欲を激しく刺激するスパイシーな芳香。味の大王 総本店が半世紀以上にわたってラーメンフリークを魅了し続ける最大の理由は、類を見ない「スープの粘度と重厚な出汁のバランス」にあります。ラーメン評論家や食文化研究者の間でも、このスープは「一般的なスープカレーやカレーうどんの流用とは根本的に設計思想が異なる」と高く評価されています。
その核となるのは、豚骨を長時間丹念に煮出して抽出した濃厚な白湯スープです。創業者の高橋一郎氏が「誰も食べたことのない、身体が芯から温まるラーメンを作りたい」と試行錯誤を重ねた末、約50種類のスパイスを独自に調合したカレーペーストをこの豚骨スープに溶かし込む製法を確立しました。厨房の寸胴鍋で職人が木べらを休むことなく動かし、均一な乳化状態を保ち続けることで、口に含んだ瞬間にガツンと広がるスパイスの刺激と、後から追いかけてくる豚骨由来のまろやかなコクが同居する奇跡の味わいが生まれます。
この重厚なカレースープをしっかりと受け止めるのが、自社製麺工場で打たれる特製の中太縮れ麺です。一般的な札幌味噌ラーメンの多加水熟成麺に比べ、わずかに加水率を抑え気味に設計されており、スープのとろみが麺の表面にしっかりと絡みつきます。すするたびに麺と濃厚スープが一体となって口内へ飛び込み、噛み締めるほどに小麦の風味がスパイスの辛さと調和する感覚は、他の追随を許さない完成度を誇っています。