福岡が「珈琲の都」と呼ばれる最大の理由は、世界トップレベルの技術と哲学が街の土台を支えている点にある。ジャパン バリスタ チャンピオンシップで連覇を果たし、世界大会でも準優勝に輝いた岩瀬由和氏が率いる「REC COFFEE」は、その象徴的存在だ。屋台から始まったその歩みは、いまや福岡のコーヒーシーンを語る上で欠かせない伝説となっている。
さらに、ワールド・バリスタ・チャンピオンシップをアジア人として初めて制覇した井崎英典氏のルーツもこの地にある。彼らが切り拓いたサードウェーブコーヒーの潮流は、単なる浅煎りブームに留まらない。産地ごとの豆の個性を極限まで引き出すスペシャルティコーヒーの思想を、街全体のスタンダードへと引き上げた。技術への飽くなき探求と惜しみない知見の共有が、飲食業・カフェ業界全体のボトムアップを生み出している。