ネット上の求人情報や業界関係者の証言を総合すると、国内で活動する彫り師の平均年収は300万〜450万円前後に落ち着きます。サラリーマンの平均年収と同水準に見えますが、彫り師の多くは個人事業主(フリーランス)のため、ここから国民健康保険料、国民年金、消耗品費などの経費を自ら支払わなければなりません。したがって、手元に残る実質的な可処分所得は一般的な会社員よりもシビアな水準になりがちです。
一方で、世間で囁かれる「年収1000万円超え」の噂も決して虚構ではありません。国内の有名スタジオで看板を張るトップアーティストや、海外からのインバウンド富裕層を顧客に抱える売れっ子は、月収100万〜150万円、年収ベースで1200万〜2000万円以上を稼ぎ出しています。完全な実力・人気主義の世界であり、上位数%のトップ層が巨額の富を得る一方で、下位層はワーキングプア寸前という極端なピラミッド構造が形成されています。
施術料金の相場を見ると、コインサイズのワンポイントタトゥーで1万〜1万5000円、タバコ箱サイズで3万〜5万円、時間制(時間彫り)の場合は1時間あたり1万〜1万5000円が業界標準です。トップネームになると1時間2万〜3万円を請求するケースもあります。一見すると「1日5時間彫れば日給5万〜10万円」のように思えますが、この施術料の裏には長時間の無償拘束が存在しています。