極めて有益に見える構成的グループエンカウンターですが、万能の特効薬ではありません。ファシリテーターがその本質や留意点を理解しないまま実施した場合、深刻な危険性とデメリットが表面化します。
最も警戒すべきは「心理的強制によるトラウマの発生」です。プライベートな体験や感情の開示を無理強いされた参加者は、強い屈辱感や不信感を抱きます。特に自己開示の深度が深すぎるエクササイズを初期段階で実施すると、教室内に気まずい空気が蔓延し、かえって人間関係が硬直化するケースが後を絶ちません。
また、ワーク中の発言がいじりやからかいの火種になり、新たな人間関係トラブルやいじめへ発展するリスクも存在します。体験後の「シェアリング(感情の分かち合い)」を雑に切り上げたり、評価・批評が許される雰囲気のまま放置したりすることは極めて危険です。指導者の未熟さや事前のルール設計の甘さが、集団を傷つける凶器に変わり得る現実を指導者は常に肝に銘じる必要があります。