細木氏の結婚歴を語る上で、日本現代史に残る大事件として避けて通れないのが、東洋思想家・陽明学者であり「昭和最大の黒幕」と称された安岡正篤氏との関係です。安岡氏は歴代の首相や三菱グループをはじめとする財界トップの指南役を務めた大物でした。
2人の出会いは1983年、細木氏が45歳、安岡氏が85歳の時でした。細木氏は自らの人脈を広げる過程で安岡氏に接近し、急速に信頼を獲得。そして同年7月、2人は周囲に極秘で婚姻届を提出したのです。当時、40歳もの年齢差と大物思想家の電撃再婚は世間を震撼させました。
しかし、この結婚に対して安岡氏の実子や直弟子の関係者たちが激怒します。当時、安岡氏は高齢による認知症の症状が進んでおり、正常な判断能力を欠いていた状態での入籍だったと主張。親族側は東京家庭裁判所へ「婚姻無効」を求める調停を申し立て、泥沼の法廷闘争へと発展しました。
事態が収束を見ないまま、同年12月に安岡氏が急逝します。その後、親族との協議および裁判所の調停により、「婚姻無効」の合意が正式に成立しました。戸籍上の記載も抹消されたため、法的な意味において安岡氏は細木数子の夫ではなくなり、遺産相続の権利もすべて放棄される結末を迎えました。