物語の発端は1980年、当時19歳のロバート・シャフラン(ボビー)がニューヨーク州のサリバン郡コミュニティ・カレッジへ初登校した日にさかのぼります。キャンパスを歩くボビーに対し、見知らぬ学生たちが口々に「おかえり、エディ!」と親しげに声をかけてきました。女子学生からは突然キスをされ、周囲の誰もが彼を前年まで在籍していたエドワード・ガランド(エディ)と信じて疑わなかったのです。
事態を不審に思ったエディの親友がボビーに接触し、生年月日や養子である事実を確認したことで事態は急展開を迎えます。2人は即座に対面を果たし、鏡を見るかのように瓜二つな容姿、同じ声、同じ笑い方、さらにはレスリングの経験や好みのタバコの銘柄に至るまで一致していることに驚愕しました。生き別れの双子が見つかったというニュースは、瞬く間に地元紙『ニューヨーク・ポスト』の一面を飾ります。
しかし、ドラマはそこで終わりませんでした。新聞に掲載された2人の写真を見たクイーンズ在住の青年、デヴィッド・ケルマンが「自分と全く同じ顔の人間が2人写っている」と名乗り出たのです。こうして、互いの存在を知らずに19年間生きてきた一卵性三つ子の兄弟が奇跡的な再会を果たしました。
揃いの服を着てテレビ番組に出演した3人は一躍全米のアイドルとなり、マドンナ主演の映画『スーザンを探して』へのゲスト出演や、ニューヨーク・ソーホー地区でのレストラン「トリプレッツ(Triplets)」の共同経営など、まさにアメリカンドリームを体現する存在として時代の寵児となりました。しかし、この信じがたい偶然の裏には、あまりにも非情な人為的企みが潜んでいました。