無事に着床へと至った後も、出産までにはいくつもの医学的な関門が存在します。特に知っておくべきは、流産率と胎児の染色体異常の発生確率です。
46歳の妊娠において、流産率は50〜60%以上に達します。その大半は、卵子の老化に伴う受精卵の染色体数的異常が原因です。また、ダウン症候群(21トリソミー)をはじめとする超高齢出産における染色体異常の発生確率は約10〜20人に1人の割合まで上昇します。こうした背景から、出生前診断(NIPTなど)を検討するカップルも多く見られます。
また、母体にかかる負荷も深刻です。46歳での初産に伴うリスクとしては、血管の柔軟性低下に伴う妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、前置胎盤、微弱陣痛による帝王切開率の上昇が挙げられます。
「一度出産経験がある経産婦なら安全なのか」という疑問もありますが、46歳の経産婦であっても出産リスクは無視できません。過去に出産経験があることで産道が開きやすいという利点はあるものの、加齢に伴う心血管系への負担や耐糖能の低下、弛緩出血(産後の大量出血)のリスクは初産婦と同様に高まります。