2010年代初頭、この『SCP-087-B』をはじめとする派生作品は、YouTubeにおけるゲーム実況カルチャーの黎明期と爆発的に結びついた。世界中のクリエイターが暗闇の中で絶叫する映像は瞬く間に数百万回再生を記録し、SCP財団というコミュニティの認知度を一気にメインストリームへと押し上げた。
その影響は巨大な商業プラットフォームであるSteamにも波及した。「リミナルスペース(不気味な空間)」や「ウォーキングシミュレーター」と呼ばれるジャンルのインディーゲーム産業が急速に成長した背景には、SCP-087が切り拓いた「何もない空間をただ進む恐怖」のフォーマットが色濃く影を落としている。