長年にわたり大衆向けオーラルケア市場を牽引してきたライオン株式会社やサンスター株式会社といったメガプレイヤーも、消費者の安全意識の高まりを背景に処方の見直しを進めている。合成着色料の排除や植物由来ペーストの採用など、かつてはニッチ市場向けだった思想がメインストリームへと浸透しつつある兆候は歓迎すべき変化といえる。
しかし、医薬部外品という表記自体が「完全な安全性」を保証する免罪符ではない点には注意が必要だ。特定の有効成分が一定濃度で配合されていることを示すこの区分は、同時にその他の基剤や保存料に一定の化学物質が使われていることの裏返しでもある。日本歯科医師会などの専門機関が発信するエビデンスを注視しつつ、ブランドネームの安心感に安住しない複眼的な視点を持つことが、売り場の情報過多から身を守る最大の防壁となる。