ネモフィラが持つ「許し」の重層的な意味合いを、見事な映像美とともにカルチャーへと昇華させたのが京都アニメーション制作の『映画 聲の形』だ。人と人とのディスコミュニケーション、犯した過ちの贖罪、そして自己と他者の受容を描いた本作において、要所にインサートされる青い花は、登場人物たちが抱える心の痛みと許しのプロセスを無言のうちに語りかける象徴として機能した。
この物語的な深みと時を同じくして、Instagramを中心とするソーシャルメディアの隆盛がビジュアルとしてのネモフィラを一気に拡散させた。見渡す限りの青空と大地が溶け合う圧倒的な「青のシンフォニー」は、画面越しの視覚体験を通じて大衆の美意識を刺激し、花言葉が持つ多面的なニュアンスをより身近なものへと再定義していった。