子どもの予選落ちという結果を突きつけられた瞬間、最も過酷な試練を迎えるのは保護者自身かもしれません。多大な時間と費用をかけ、毎日の練習に寄り添ってきたからこそ、落胆のあまり感情的な反応を示してしまうケースが見受けられます。しかし、ピアノコンクールで予選落ちした際の親の対応は、子どもの今後の自己肯定感とピアノへの情熱を大きく左右します。
まず避けるべきNG対応は、「結果に対する不満や審査への批判を子どもの前で口にすること」です。「あんなに上手に弾けていたのになぜ」「審査員の基準がおかしい」といった発言は、子どもに「コンクールは理不尽で怖いもの」という印象を植え付け、次の挑戦への意欲を奪ってしまいます。また、「もっと練習すればよかったのに」「本番であそこを失敗したからだ」と子どもを責める言動は絶対に慎まなければなりません。
予選落ちの直後にかけるべき言葉は、結果ではなく「今日までの努力の過程と本番のステージに立った勇気」を全肯定する声かけです。
- 「毎日コツコツ練習を続けて、舞台の上で最後まで堂々と弾ききった姿が本当にかっこよかったよ」
- 「ホールの響きをよく聴いて、とても綺麗な音で演奏できていたね。お父さん(お母さん)は感動したよ」
- 「悔しい気持ちがあるのは、それだけ一生懸命頑張ってきた証拠だよ」
悔し涙を流す子どもに対しては、無理に励まして感情に蓋をさせるのではなく、「悔しいね」とその感情に寄り添い、受け止めてあげることが大切です。親が一番の味方であり理解者であるという安心感があって初めて、子どもは次の一歩を踏み出すことができます。