市販の天ぷら粉がない家庭でも、身近な調味料を使って専門店レベルのクリスピーな衣を作ることが可能です。冷めてもベチャつかない最大の秘訣は、「片栗粉のブレンド」と「マヨネーズの乳化油の活用」にあります。
薄力粉に片栗粉(またはコーンスターチ)を「2:1」の比率で配合すると、衣の中のグルテン量が物理的に減少し、硬質で砕けやすいサクサクした層が形成されます。さらに、水の代わりに大さじ1杯のマヨネーズを溶き入れる「マヨネーズ衣」の手法を導入すると、マヨネーズ中の微細な油滴が小麦粉の粒子同士の結着を邪魔し、揚げた際に水分が一気に蒸発して無数の微小な空洞(スナック構造)を生み出します。冷めても油が回らず、軽やかな歯ざわりが長く持続します。
磯の香りを引き立てる青のりは、衣に混ぜる直前に指先で軽く揉んで加えると、細胞壁が壊れて香気成分が一気に立ち上がります。青のりが手元にない場合は、香ばしさが増す「あおさ粉」や、風味豊かな「刻み海苔」、さっぱりとしたアクセントが楽しめる「ゆかり(赤しそ)」で代用しても秀逸な仕上がりになります。
有名うどんチェーンの味を再現する場合は、衣の水に微量の「和風だしの素」または「白だし」を忍ばせ、ちくわを豪快に縦半分に切ったロングスタイルで180度の高温で一気に揚げるのがプロの常套手段です。