このシーズンを象徴する最大のハイライトといえば、村上宗隆による令和初・史上最年少での三冠王獲得と、オリックス・バファローズの劇的な日本一奪還だ。村上宗隆が打ち立てた打率.318、56本塁打、134打点という数字は、王貞治の持つ日本人最多本塁打記録を58年ぶりに更新する金字塔となった。シーズン最終戦の最終打席で放ったあのライトスタンドへの豪快な放物線は、球場全体を異次元の熱狂へと突き落とした。
一方、オリックスの航海は決して平坦ではなかった。一時は首位ソフトバンクに最大11.5ゲーム差をつけられ、誰もが連覇は絶望的だと考えた。しかし中嶋聡監督の巧みな選手起用と、投手陣の圧倒的な粘り強さが奇跡を呼ぶ。チーム一丸となった泥臭い白星の積み重ねが、最終戦での劇的な大逆転優勝へと結実した。個人の限界を突破した若き怪物と、チームの結束で逆境を跳ね返した猛牛軍団。対照的な二つの物語が、このシーズンを不滅のものにしている。