一般的な温浴施設のフードコートを想像して暖簾をくぐると、良い意味で期待を激しく裏切られる。音の花亭のショーケースに並ぶのは、割烹や専門料理店も顔負けの豪快な刺身盛り合わせや旬の煮魚、特大のエビフライだ。
「仕入れルートと鮮度管理に徹底してこだわっている」と語る厨房からは、活気あふれる声が響く。温泉で血行を促し、芯から温まった身体に冷えた地酒と脂の乗った鮮魚を流し込む瞬間は、まさに至福のひとときに他ならない。この食体験を目当てに、入浴をそこそこに食事処へ直行する常連客がいるという話にも深く頷ける。