通天閣のネオン、路地裏の串カツ屋から漂う油の匂い、そして行き交う人々の軽妙な掛け合い。本作に散りばめられた関西カルチャーは、単なる舞台装置ではない。登場人物たちの孤独や不器用な愛を際立たせるための必然として機能している。
笑いの裏に潜むどうしようもないやるせなさを描いた本作は、紛れもない一級のヒューマンドラマだ。軽妙なテンポで進む会話劇の合間に、ふと差し込まれる長い沈黙。言葉にできない感情が画面から溢れ出し、観る者の胸を締め付ける。表面的なご当地モノとは一線を画す深い人生賛歌が、世代を超えて刺さっている。