吉瀬美智子が生まれ育ったのは、福岡県朝倉市(旧甘木市・朝倉郡エリア)。雄大な筑後川が潤し、耳納連山を望むのどかな田園地帯だ。歴史ある城下町の風情と豊かな果樹園が広がるこの土地で、彼女は幼少期を過ごした。
現在見せる洗練された姿からは想像もつかないほど、当時の彼女は泥んこになって野山を駆け回るおてんばな少女だったという。近所の小川で魚を追いかけ、夏には果物畑の甘い香りに包まれる。この土地特有の開放的な自然環境が、物事に動じない大らかな気質と、研ぎ澄まされた直感を養ったことは想像に難くない。
地方都市特有の濃密なコミュニティのなかで育ち、近隣の人々の温かい眼差しに支えられていた少女時代。しかし、思春期を迎えるとともに、平穏だった彼女の家庭環境は大きな転換期を迎えることになる。