密会の相手として名指しされたのは、歌舞伎や新派の舞台で確固たる地位を築いていた俳優の喜多村緑郎だった。2人の接点は、前年に共演した舞台での共演。稽古や地方公演を通じて急速に距離を縮めたとされる。
しかし、決定的な問題は喜多村が既婚者であった点だ。彼の妻は、元宝塚歌劇団雪組のトップスターとして絶大な人気を誇る貴城けい。宝塚時代から熱心なファンに支えられ、品格ある舞台人として知られる貴城にとって、この裏切りはあまりにも残酷だった。
報道を受けた貴城側の憔悴ぶりは凄まじく、関係者を通じて伝わる怒りと悲痛な声は世間の同情を一身に集めた。一方の鈴木側もコメントを発表せざるを得ない状況に追い込まれ、「独り身になるつもりだと聞いていた」という釈明が火に油を注ぐ結果となった。軽率な思い込みによる泥沼の三角関係は、当事者全員に修復不可能な傷跡を残した。