華やかな芸能界に未練を残さず、彼が選んだネクストキャリアは「レザークラフト」の世界だった。台本に書かれた言葉を演じる役者から、無骨な革を自らの指先で裁断し、一針一針縫い上げる職人への完全な転向。この大胆なシフトは、周囲を大いに驚かせた。
革製品づくりは嘘がつけない。素材の選定、鞣し、ステッチの正確さ、コバの磨き込み。すべての工程に作り手の精神がそのまま反映される。彼は下積みの修行を経て、自らのブランドを立ち上げるまでに腕を磨き上げた。派手な宣伝は打たず、製品自体のクオリティと口コミだけで顧客の信頼を勝ち取っていった姿勢は、まさに本物のクラフトマンシップそのものである。